子どものスキンケア方法

スキンケアは、食物アレルギーの予防と治療の大切な方法のひとつではないかと考えられています。
なぜなら、空気中やホコリに含まれるアレルギーの原因物質が、肌が荒れて炎症が起きた皮膚に付くと、感作 (アレルギーになっていくこと)につながるのではないかと考えられているからです※ⅰ, ⅱ。
実際にスキンケアをして予防、治療ができたと実証はされていませんが、皮膚をきれいに保っていると全体のIgEが下がりやすいことが報告されています※ⅲ。

お子さんの肌を清潔にして、潤いを保ってあげましょう。そこで今回は、子どものスキンケアのポイントをご紹介します。

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お子さんの体の上手な洗い方のポイント

せっけんを使って洗おう

皮膚の汚れは、せっけんを使わないと、きれいに取り除けません。汚れやアレルギーを悪化させる物質には油の成分も含まれていることがあるからです。

「せっけんは肌を乾燥させるから使わないように」という意見もあるようですが、湿疹がある場合は、せっけんを使って洗ってください。乾燥は保湿剤を塗ることで防げます。

「毎日、全身を、せっけんで洗う」ことが基本です。ただし、お肌のトラブルがないお子さんは、必ずしも毎日せっけんで洗わなくても大丈夫です。個人差や季節差が大きいので、お子さんにあった方法を見つけるようにしましょう。

どんなせっけんがお勧めか?

基本的には、防腐剤、着色料、香料などが入っていないせっけんをお勧めします。濃度が高い液体石鹸のなかには、皮脂が落ちすぎて乾燥肌がひどくなる場合もありますので、使ってみてお子さんの肌の状態や変化をよく観察するようにしてください。

よく泡立てて、素手で洗う

泡を手のひらに乗せて、逆さまにしても落ちないくらいまで、せっけんを泡立てましょう。ポンプ式のせっけんだと、最初から泡立っているので便利です。液体や固形のせっけんは、パパ・ママが泡立ててから使いましょう。せっけんの泡立て方は、動画「泡の作り方」を参考にしてください。

皮膚を傷つけないように、タオルやスポンジは使わず、素手で洗います。

関節のくぼみや顔も入念に

ひじ、ひざ、太ももの付け根などの関節のしわに汚れがたまりやすいので、指先でしわを伸ばして、入念に洗ってあげましょう。

乳幼児の顔は、よだれや食べかすで汚れやすいので、せっけんで洗います。お子さんが洗顔をいやがる場合は、素早く洗って、すぐに柔らかいガーゼなどで水気を拭き取ってあげるとよいでしょう。(動画「赤ちゃんの洗い方」もご参照ください)

しっかりとせっけんを洗い流す

せっけんが残ってしまうと、皮膚に余分な刺激を与えてしまいますので、よく洗い流しましょう。かゆみを感じるほどの高温のお湯も皮膚への余分な刺激となるため、ややぬるめのお湯で洗い流します。

洗い流した後に、タオルで拭くときも、皮膚を傷つけないように、タオルを軽く押し当てるようにして、水分を拭き取りましょう。

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お子さんの肌の保湿のポイント

潤い不足は肌荒れのもと

お風呂の後、肌は時間とともに乾燥していきます。手入れをしないと、肌がカサカサしてしまうお子さんの場合は、保湿用軟膏や保湿クリーム、保湿ローションをつけて、肌荒れ・炎症を予防しましょう。

すでに肌荒れ・炎症・湿疹がある場合、保湿は必須です。入浴後、汗が噴き出して塗れないときは、おちついてから塗ってもかまいませんが、1時間以内をめどに塗りましょう。(動画「軟膏の塗り方」もご参照ください)

どれくらいの量を塗ればよいか

<チューブ型の場合>
大人の人差し指の「指先から第一関節まで」の長さに軟膏を出した量を、大人の両方の手のひらに相当する面積に使います。これは1FTU(Finger Tip Unit)と呼ばれ、代表的な目安量とされています※ⅳ。
お子さんの顔が大人の両方の手のひらの面積なら、大人の「指先から第一関節まで」の量の軟膏を、お子さんの顔に塗ることになります。

<容器に入っている保湿クリームの場合>
1歳前後であれば、全身に塗るのに約小さじ(5cc)1杯(約4g)の量を使います。容器に入っているときは、直接指でとらずに、計量スプーンなどを使うと軟こうが清潔に保てますし、一定量を使いやすくなります※ⅴ,ⅵ。

<保湿ローションの場合>
1円玉の大きさほどの量を、大人の両方の手のひらに相当する面積に使います。

その他の注意点

● ツメをなめらかに短く切り、引っかき傷を防止しましょう。
● 乳幼児でよだれかぶれができる場合は、食事の前にワセリンなどを塗って保護しましょう。
● 家族の服は毛羽立ちの少ないものにして、抱っこした時にお子さんの肌を刺激しないようにしましょう。

ここがポイント!

● 炎症のある皮膚は感作(アレルギー)の原因になる。
● 石けんで皮膚の汚れを洗い流そう!
● 保湿クリームなどで乾燥を防ぎ、潤いを保とう!


ⅰ:Lack G. Epidemiologic risks for food allergy. J Allergy Clin Immunol. 2008;121:1331.
ⅱ:Brough HA, et al. Distribution of peanut protein in the home environment. J Allergy Clin Immunol. 2013;132:623-9.
ⅲ:Fukuie T, et al. Proactive treatment appears to decrease serum immunoglobulin-E levels in patients with severe atopic dermatitis. Br J Dermatol. 2010;163: 1127-9.
ⅳ:Long CC, Finlay AY. The finger-tip unit–a new practical measure. Clin Exp Dermatol. 1991 Nov;16(6):444-7.
ⅴ:Drake LA, et al. Guidelines of care for the use of topical glucocorticosteroids. American Academy of Dermatology. J Am Acad Dermatol. 1996;35:615-9.
ⅵ:片山一朗 監修,「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2015」,協和企画

監修者

大矢 幸弘医師

大矢 幸弘(おおや ゆきひろ) 医師

国立研究開発法人
国立成育医療研究センター

生体防御系内科部アレルギー科医長 医師

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夏目 統医師

夏目 統(なつめ おさむ) 医師

国立研究開発法人
国立成育医療研究センター

生体防御系内科部アレルギー科 医員 医師

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