アレルギー予防のための妊娠・授乳期の食事

「「生まれてくる子どもをアレルギーにしたくない!」という気持ちは妊娠中のママの本音だと思います。お子さんを食物アレルギーにしたくないからと、妊娠中や授乳中に卵・牛乳などの特定の食品を避けてみたり、食事制限をしてみたり…。妊娠中のお母さんが食物アレルゲンを除去すれば、子どもは本当に食物アレルギーにならないのでしょうか。

今回は妊娠中・授乳中のお母さんの食事についてご紹介します。

妊娠中の食物除去は効果がない!?

実は、妊娠中のママがアレルゲン除去の食事をしても、生まれてくるお子さんのアレルギー(食物アレルギーやアトピー性皮膚炎)を予防できるといった科学的な証拠はありません※ⅰ〜ⅲ。なので、ママがご自身の食物アレルギーで、食物除去をしなくてはいけない場合を除いて、特定の食品を除去する必要はありませんし、むしろガイドラインなどでは妊娠中の食事制限は「推奨しない」とされています※ⅳ、ⅴ。お子さんのアレルギーを心配して何かの食品を制限するよりも、お子さんの成長を考えて偏った食事をせず、バランスのとれた食事をすることが大切です。

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授乳期のアレルゲン除去も効果なし!?

実は授乳中のママも、妊娠中と同じです。授乳中のママがアレルゲン除去の食事をしても、お子さんの食物アレルギーを予防できるといった科学的な証拠はありません※i、ⅵ。そのため、妊娠中と同様に、授乳中のママも特定の食品を除去することは「推奨しない」とされています※v、iv。特に授乳中は妊娠中にも増して積極的にたくさんの栄養をとる必要がある時期ですので、バランス良く食事をするように心がけましょう。

いかがでしたか。妊娠中や授乳期の食事は、お子さんのアレルギーには直接結びつかないのです。そのかわり、ママは必要な食事はしっかり摂って、お子さんの成長に必要な栄養素をきちんとお子さんに届けることを意識しましょう。

覚えておこう!

  • 妊娠中・授乳中に特定の食品を除去しても、お子さんのアレルギー予防にはならない。
  • 妊娠中・授乳中に特定の食品を除去は推奨されていない。


i:Kramer MS, Maternal dietary antigen avoidance during pregnancy or lactation, or both, for preventing or treating atopic disease in the child. Cochrane Database Syst Rev 2012;9:CD000133. 

ⅱ:Lilja G, Effects of maternal diet during late pregnancy and lactation on the development of IgE and egg- and milk-specific IgE and IgG antibodies in infants. Clin Exp Allergy 1991;21:195–202.

ⅲ:Fälth-Magnusson K, Allergy prevention by maternal elimination diet during late pregnancy–a 5-year follow-up of a randomized study. J Allergy Clin Immunol 1992;89:709–713.
ⅳ:日本小児アレルギー学会 食物アレルギー委員会著「食物アレルギー診療ガイドライン2012」
ⅴ:D.de Silva D, et al. Primary prevention of food allergy in children and adults: systematic review. Allergy. 2014;69(5):581-9.
ⅵ:Hattevig G, et al. Effect of maternal avoidance of eggs, cow’s milk and fish during lactation upon allergic manifestations in infants. Clin Exp Allergy.1989;19(1):27-32.

監修者

大矢 幸弘医師

大矢 幸弘(おおや ゆきひろ) 医師

国立研究開発法人
国立成育医療研究センター

生体防御系内科部アレルギー科医長 医師

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夏目 統医師

夏目 統(なつめ おさむ) 医師

国立研究開発法人
国立成育医療研究センター

生体防御系内科部アレルギー科 医員 医師

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